スクイ(石干見・・・いしひび・いしひみ等とも呼ばれる)は、干潟やサンゴ礁などの浅場で石を積み上げて作った囲いで、潮の干満を利用して囲いの中に閉じ込められた魚をとるための伝統的な漁法です。有明海は日本一の干満差を誇るため、スクイ漁が発達しました。
動力を使わず自然の力だけで魚を捕るため、環境への負荷が少なく、持続可能な漁法と言えるかもしれません。
スクイ漁とは?
スクイ漁は、シンプルながら奥が深い漁法です。
- 干潟やサンゴ礁などの浅場に、石を積み上げて半円状の囲いを築きます
- 満潮になると、魚たちは囲いの中に泳ぎ込んできます
- 干潮になると、囲いの内側の水はなくなってしまい、魚たちは取り残されます
- 取り残された魚を捕獲します
▼スクイまつり2024について
5月5日(日・こどもの日)に開催されました。当日の様子はこちらのページをご覧ください。
例年5月ごろに開催される「スクイまつり」では、石積みの内側に有明海の魚を放流し、ファミリーを中心に多くの来場者でにぎわいます。
スクイまつり(年1回、5月ごろに開催)
約1,000人が参加したスクイまつり2023
放流した有明海の魚を捕まえます
まつりの前に海岸清掃を行います
ファミリーを中心に大勢でにぎわいます
スクイのなかの生き物は捕ってもいいの?
スクイのなかにはどなたでも自由に入ることができます。素手やタモ網を使って生き物を捕まえることはできますが、投網などの漁具の使用や禁漁されている生物の採捕はできません。
石積みの内側は潮の流速も落ちているので、親子でも比較的安全に海遊びを楽しむことができます。
【漁業権により採捕禁止の生物】
- 海藻類:あまのり、いぎす、てんぐさ、ひじき、ひとえぐさ、もずく、わかめ、
- 貝類・甲殻類ほか:あさり、かき、まてがい、うに、えむし、しゃこ、なまこ
スクイの生き物(一例)
マダコ
アマモ(養生エリアには侵入禁止)
アメフラシ
海ソーメン(アメフラシのたまご)
ニシ貝
注意生物(有毒生物にご注意ください)
ヒョウモンダコ
エイ
ゴンズイ
スクイの保全活動について
島原市長浜海岸にあるスクイは任意団体「みんなでスクイを造ろう会」によって保全管理や例年5月ごろに開催される、「スクイまつり」の運営が行われています。
全国的に見ても重要な歴史資産を未来に伝えるためのメンバーを募集中です。
▶みんなでスクイを造ろう会の公式ホームページはこちら(外部リンク)
基本情報
- 所在地
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〒855-0043 長崎県島原市新田町 付近
- 入場料
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無料
- みんなでスクイを造ろう会(保全団体)
- 注意点
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- 石積みに付着している貝殻で手を切る可能性があります。軍手などを着用するなどして、十分にご注意ください。
- 毒を持つヒョウモンダコやエイなどが入っている場合があります。見つけたら絶対に触れないようにしてください。
- スクイまつり当日をのぞいて周辺にトイレはございません
- ごみのお持ち帰りにご協力ください
- ドローン空撮画像の出典
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島原市(画像の二次利用を禁止します)